和歌山県の紀三井寺(きみいでら)
正式名称は金剛宝寺(こんごうほうじ)
長い階段をのぼりきり振り返った視線の先には、遠く四国や淡路島まで望むことができる見晴らしのよい寺。
そして紀三井寺のご本尊は50年に一度しかお目にかかれない超秘仏です。
私が参拝した2020年はちょうどご開帳の年でした。
本堂の奥の奥、普段はけして入ることのできない部屋へ。
50年ぶりに開かれたその扉の向こうには…
秘仏ご本尊拝観。
この貴重な体験ができた紀三井寺の参拝レポもあわせて紹介します。
紀三井寺の見どころ
結縁坂
楼門を抜けると231段の急な石段があります。
この階段にはこんなエピソードが。
江戸時代、紀伊国屋文左衛門が母を背負ってこの坂をのぼりお参りしていました。ある日、坂の途中で草履の鼻緒が切れたので困っていたところ、後に妻となる玉津島神社の宮司の娘「おかよ」と出会います。
おかよに草履をなおしてもらい、その後二人は結ばれ、文左衛門はミカン船で大儲けして豪商となりました。
そこでこの坂(階段)を縁を結ぶ坂、結縁坂(けちえんざか)と呼ばれるようになりました。
この階段を登ると良縁成就と商売繁盛のご利益があると言われています。
階段横に2022年4月ケーブルカーが新設されバリアフリーでの参拝が可能になりました。
大願堂
結縁坂をのぼり左にいくと本堂、右にいくとコンクリート製の近代的な大きな仏殿があります。
中には2008年に開眼した日本最大の寄木造の大千手十一面観世音菩薩が。
高さは12mもあり見上げる程大きく金箔張りでピカピカ。
この大願堂、上は展望回廊になっていて登ることができます。
上からは和歌山の街、さらに淡路島や四国まで望むことができます。
この日はあいにくの雨で何も見えずでした。。。
そしてこの展望回廊の窓から中を覗くと大観音像を顔の高さで見ることができます。
下からとはまた違った観音様の眺めです。
しあわせ地蔵尊
大願堂の前のお庭の中に小さなお地蔵様がいます。
お地蔵様の前に丸いお皿がありそれぞれ大吉・吉・中吉 と書かれお賽銭をなげて運試しができます。
桜の開花宣言の標本木
紀三井寺には約500本もの桜の木が植えられています。
その中でも本堂前にあるこの桜は桜の開花宣言の標本木として近畿に春を告げる桜です。
名前の由来にもなった三つの井戸
紀三井寺は正式名称を金剛宝寺と言います。
三つの井戸があることから通称紀三井寺と言われ、その三つの井戸は今もコンコンと清水が湧き出ています。
名称の由来ともなった三つの井戸を見てみたい…と思い今回探してきました。
一つ目は結縁坂の途中にある清浄水。
結縁坂を登っていく途中にあるのでここはすぐ見つけることができました。
二つ目は楊柳水。
清浄水をこえてすぐに右へ行く細い道があり、こっちかな?とちょっと不安になりそうな山道でしたが行き止まりに井戸発見。
最後の三つ目は吉祥水。
境内の外にありとてもわかりにくい所です。
楼門を出てアーケードを少し行き常夜灯がある所を右にまがります。
そのまま真っすぐ行くと北門と専用駐車場があり、そこもこえてさらにまっすぐ住宅街を進みます。
しばらく行くと右手に広い空き地があり(2020年現在)その奥に上の写真の吉祥の看板が見えます。
看板が見えたら階段を登っていきます。
階段を登っていくと、わりとすぐに到着しました。
紀三井寺の楼門から徒歩5分ほどです。
紀三井寺の三つの井戸を見たいという方は是非行ってみて下さい。
井戸自体は普通の井戸ですが…なんとなく達成感が味わえます(笑)
50年に一度の御開帳、超秘仏・紀三井寺のご本尊
紀三井寺のご本尊は50年に一度しかご開帳されない超秘仏です。
人生で一度かよくて二度…
その50年に一度が今回の2020年でした。
私が西国巡礼を始めた年という嬉しいご縁です
まず本堂へ上がりさらに奥へと案内されます。
すると観音開きにされた扉がありその奥にまたお部屋が。
中へ進むと6体の仏像が目の前に並びます。
その中央の2体が50年に一度の秘仏です(左側がご本尊)
他に人がいなかったこともあり、しばらく吸い込まれるように見とれてしまいました。
外の空気にあまり触れられていないからなのかとっても美しい観音様です。
鳥肌が立ちそうなほど静寂な空気の中で、観音様と向き合います。
感動。
そしてこのありがたいご縁にただただ感謝。
本当に素晴らしい体験でした。
一般にお参りする本堂に垂れ下がる紐はご本尊としっかり繋がっていました。
めったにお目にかかれない仏様ですが、お堂の奥で静かに私たちの願いを受けとめてくださる観音様をちょっぴり想像しながらお参りしてみて下さいね
紀三井寺の秘仏ご本尊、次のご開帳はいつ?
この50年に一度のご開帳、本来は2020年で終わりですがコロナの影響もあったことで2021年の4/8〜5/29までよみがえりご開帳として再びお目にかかれる機会がありました。
全196日間で27075人が秘仏ご本尊とのご縁をいただけたそうです。
次のご開帳は2070年。
行ける方は是非!!
紀三井寺の歴史とご利益
歴史
ご本尊 十一面観世音菩薩(秘仏)
開祖 為光上人(いこうしょうにん)
創建 770年
・中国より渡来した為光上人が人々の苦悩を救うため仏法を唱えながら行脚
・たまたまこの地に霊光を感じ、自ら十一面観世音菩薩を刻み安置し金剛宝寺(紀三井寺)となる
ご利益
ご本尊の十一面観世音菩薩は厄除、開運、良縁成就、安産、子授けのご利益があります。
紀三井寺の御朱印
左上は西国三十三所草創千三百年記念印で桜デザインの記念印でした。
(記念印は2022年3月31日まで⇒2023年3月31日まで延長⇒終了しました)
紀三井寺は桜の名所としても知られているよ
紀三井寺の所要時間
およそ1時間
(今回はご本尊ご開帳があったのとさらに3つの井戸も探してトータル2時間弱でした。)
紀三井寺の参拝料と参拝時間
参拝料
・ケーブル利用者・山上駐車場利用者
大人¥400
小中学生・70歳以上¥200
(ケーブル料金 大人片道¥200 小中学生・70歳以上¥100)
・徒歩参拝者
無料 (2024年4月4日まで)
拝観時間
8:00〜17:00
大願堂の展望回廊拝観時間
8:30~16:30
御朱印受付時間
8:00~17:00
紀三井寺の駐車場
参拝者専用の駐車場あり。
♦北門前駐車場 ¥300(桜の時期などは変更の場合あり)
♦山上駐車場 ¥700
上の写真は北門前駐車場です。下記マップで拡大すると紀三井寺の左上にPと表示されている所です。
分かりずらいので確認してから行きましょう。
北門前駐車場のすぐそばにある門が北門です。
そのまま坂道をのぼっていけば本堂へ、前の道を向かって右に歩いていくと3分程で正面の楼門へ着きます。
紀三井寺へのアクセス
(住所:〒641-0012 和歌山県和歌山市紀三井寺1201)
公共交通
JR紀伊本線 紀三井寺駅から徒歩10分
南海電鉄和歌山駅より和歌山バス(約30分) 「紀三井寺」下車徒歩10分
和歌山バス NAVITIME 乗換案内
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